はじまりの記憶~Side:鈴代~

二次創作だからそういうの嫌いな人はタブ閉じるでち


[艤装設計班]

―――スキャン終了、適合性10.2%
―――結果:艤装不適合

『あー、最高値は更新したが相変わらず駄目なのかー』
『あぁ、折角高いポテンシャルがあるってのに何故だろうな』
『何でなんだろうねぇ・・・鈴代ちゃんだって頑張ってるっつーのに上はそんな事も知らずに俺らもろとも無能扱いしやがるしよぉ!』
『綴、そういう事を大声で言うんじゃない。だが仕方ないっちゃ仕方ないんだよな、個人に合わせて艤装を作ってたら予算が一瞬で消し飛んでしまう』

今回も駄目、か・・・

「稜、すー難しい話わかんないよ」
『・・・艤装の話、鈴代にはまだ早い』
「ほえー」
とは言ったけど本当は分かってるんだ。すーが「艦娘」になれないのを班長たちが本気で悔しがってるのが・・・

がちゃり。
『鈴代少将は居るか?』

『げっ、御大将じゃねーか』

「すーならここだよ?」

『む、篝班長も居るようだな。丁度いい、ここで用件を話させてもらおう』

「?」
『・・・まさか』

『鈴代少将には鹿屋の---にて艦娘たちの司令官の任に就いてもらう事になった』

『はい?』

司令官になれ・・・ってことはこれ以上すーが「艦娘」になるのを待つ気はないって事なんだね

『・・・あの、鈴代少将は艦隊指揮の講習すら受けた事が無いです』
『無論一人で、ではない。那由多少佐とともに司令官の任に当たってもらう』

那由多って確か・・・昔現役の軍人さんをボコボコにした人だっけ?大丈夫なのかな
『・・・那由多、つまり垓少佐の事ですか』
『あぁ』
ちょっと嬉しそうにしてるって事は稜の知り合い・・・?それならきっと大丈夫だね

『高い情報処理能力は艦娘としては逸材だが・・・艤装が適合しない事には宝の持ち腐れだ、それなら司令官として活動させるほうが良かろう』

『それは・・・』

『では、これにて失礼する』



『あぁは言ってるけどさ・・・要は鈴代はもういらないって事なんだろ。篝さんはどう思います?』
『同感だ。わざわざ御大将自ら来たという事はそういう事なんだろうよ』
偉い人たちからすればすーが近くにいると牙を剝かれるのが怖いんだろうね。だから「艦娘」としてだっだと遠くに遣るか司令官としてどこかに飛ばすかしたがってた。
『・・・恒河沙さんが亡くなった今が上の連中にとっては那由多や鈴代を遠くへ遣る好機、だからあんな一方的な通達だった』
・・・那由多さんのお父さんの事かぁ。すーと設計班の事を影から支えてくれてたらしいけど・・・

『しかも鹿屋の---とか露骨なまでに厄介払いじゃん』
『俺たちが反抗しないように鈴代と引き離そうって算段だろう』
「・・・・・・」
『・・・大丈夫、会えなくなる訳じゃない』
『そうそう!時間を見つけてこっちに来ればいいんだよ!』
「皆・・・ありがとー!」
『とりあえず鈴代の荷物をまとめようか。そんで出発の日は俺たちの手で送り出そうじゃないか』
『おう!』
そうだよね。会おうと思えばまた会えるよね!





『うっわ・・・』
『何と言うか・・・綺麗な廃墟といった状態だな・・・』
「わー・・・」
建物自体は別にボロボロじゃないけど・・・全然掃除してなさそう・・・
『・・・ひどい。ここ数年は全く人の手が入ってないね』

「那由多さんが来たら一緒に掃除しないとなー」
『今日は非番だから手伝うぞ?』
「綴がやるとよけい汚れるー」
『ひっでえ!』
『・・・だって本当の事だから』
『稜まで!?そんなに言うなら手伝ってくれよ!』
『・・・そうしたいのは山々だけど、今日休みが取れたのは綴だけ。私達はもう戻らないと』
「みんなありがとねー」
『気をつけてな、鈴代』
『・・・那由多によろしく』
『俺知ってる、これ俺も戻らなきゃいけないパターンだろ』
「分かってるなら早くしなよー」



さて、と。
見た感じ、那由多さんはまだ来ないみたいだし・・・周りがどうなってるか調べてみよう!




んー・・・周りには特にこれといった施設はない、か。町からはそんなに遠くないから買い出しには困らなさそう?

「―――あ」

やっばい!いつの間にか結構時間が経ってる!もう那由多さん来てるんじゃないのこれ・・・

―――なのです。
―――えっ。

あー、やっぱり居る・・・しかもここは腹をくくって行くしかない、か

「やっと戻ってこれた・・・!」



「ただの女の子」であるように振る舞うことで那由多さんとここに配属された艦娘―――電ちゃんはごまかせたみたい。
それにしても那由多さんがやったのかな、来た時と打って変わって動線が綺麗になってる。・・・できる。

『ところで電、ここに配属されている艦娘は一人なのか・・・?』
『はわわ・・・そうなのです』
『・・・・・・』
「だ、だいじょーぶだよ!何とかなるよ!」
工廠に新規の艤装建造を依頼すればすぐに新しく艦娘が配属される筈だし・・・でもすーが言ったら変だよね・・・
『あ、司令官さんに渡す資料があったのです!』
資料持ってきてないのかと思ってたらただ忘れてたみたい?・・・大丈夫なのかなぁ

『・・・ふむ、とりあえず最低限の資材での建造を依頼するか』
お、いきなり資材を無計画に使うほど馬鹿じゃないんだね
『了解なのです!』



妖精さんたちの作業風景を見てみたかったけど設計班と違って見せられないってさ。ちぇ。
『そろそろか?』
『艤装は完成したのであとは適合者の到着を待つだけみたいです』
すーも「高い才能」がなければこうやってどこかに艦娘として配属されてたかもしれないのか・・・
『ん、どうかしたか?』
まるですーが何を考えてるか分かってるかのような顔だ。やっぱり只者じゃない。
「なんでもないよ?」
『・・・そうか』
不思議そうに視線を戻す。なんだかすーの心の中を見透かされてるみたいで怖い・・・
『ん、到着したみたいだな』


向こうから艤装を着けた子がやって来た。この形は白露型だっけ
『白露型駆逐艦の四番艦、夕立よ!』
『俺は那由多。こっちのちっさいのが司令官の鈴代だ』
『宜しくね、しれーかんさんにお父さん!』
『お父さんって・・・』
「ぷ」
あー、わかるわかる!なんか保護者って雰囲気だよね!
『何がおかしい』
ひょえー、目つきも相まって怒ると怖い・・・怒らせちゃダメだ

『ともかく、これから宜しく頼む』
『こちらこそっぽい!』
『なのです!』
「がんばろー!」
うん、寂しい思いをする事はなさそう!また整備班の皆にお手紙書かなきゃ!




―――提督が鎮守府に着任しました―――






『なぁ、鈴代』
「んー?」
『自分を偽るのは・・・辛くないか?』
「じぶん・・・?何のこと?」
『それだよ』

『本当は俺なんかより分かっているんだろ?艦娘のことも、・・・深海棲艦の事も』
「・・・・・・」
『答えなくていい。だがな、これだけは覚えておいてくれ』

『俺はお前の事をかけがえのない仲間として信頼している。俺なんかよりずっと優れた存在だったとしても必ずまっすぐ向き合うって』

『悪い、ちょっとかっこ付けすぎたな』





「ありがと、那由多」



※注釈
「艤装設計班」・・・要は人間が動かす工廠。妖精さん達には及ばないものの、それでも高水準の艤装を建造する実力を有する。鈴代のお守りも兼ねていた。

篝(カガリ)・・・設計班の班長。技術者気質が強く仕事に妥協を許さないタイプ。一方で私生活は意外とズボラで休日はだいたいジャージ姿。

綴(ツヅリ)・・・設計班のメンバー。お調子者で憎めないところがあるが技術者としてはばっちり一流。こうも見えて料理が得意で鈴代の食事は彼の担当。

稜(リョウ)・・・設計班の紅一点。紬事件(Side:ナユタ参照)の当事者の艦娘だったうちの一人。事件後目の前で仲間を失ったトラウマから艦娘としては再起不能に。艤装に関する知識は艦娘の中でも随一だったため設計班へ転向した。
普段はちょっととろい喋り方だがナユタの話題、あるいはナユタと直接話す時は驚くほど饒舌になる。普段は抑えてるっぽい
のちに軽巡洋艦・夕張としてナユタ達の所に着任することになる
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ドルヴャベーグの人(仮)

Author:ドルヴャベーグの人(仮)
某所での誤字を発端とするドルヴャベーグと中の人の反応速度を活かした(?)罠テロを持ちネタとしていたチキン野郎。野良こわい。

Twitter:suzushiro_arks

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